多重債務者がカードを複数持ってはいけない理由
多重債務の経験がある人は複数カードは気をつけたほうがいいです。
本人は無理ですので、周りが気をつけてあげないといけないですね。
ローンも貯金も、結局そのお金を使うなら同じこと。だけど・・・
例えば10万円のものが欲しい場合、
- 毎月1万ずつ貯金して10ヶ月後に買う
- カードで10回払いで買う
の2通りがあるとします。(本当は「買わない」という第三の選択がありますが・・・)
2は金利があるので、どっちがいいかは明白ですが、
ここは金利のことは考えずにキャンペーンで10回払いの金利が無料だったと仮定しましょう。
それでも良いのは、やっぱり1です。
2がダメなのは「毎月1万ずつの貯金ができなかった」ということがポイントです。
同じことだ、と思うのなら、貯金もできたはずです。
現にいまお金がなければ、買うことが可能になってしまう2を選択しがちです。
「毎月1万ずつの貯金ができなかった」ことは都合よく忘れてしまいます。
毎月1万円、収入から目減りすることは「同じ」です。
同じ、なのにできなかったわけです。
それは今後先10ヶ月の1万円の目減りに耐えられない可能性を示しています。「同じ」ように1万円を積み重ねることができなくなる可能性が強いです。
何度もいいますが、貯金するもローンするも、毎月1万円目減りするという観点では全く同じ事です。
ところが多重債務者は「毎月1万ずつの貯金ができなかった」という実績を甘く見てしまうのです。
ローンが破綻していくメカニズム
何があるかわからないのですから、選択はより安全性を考えるべきです。
はじめに10万円貯めてから買えば、その後何か入用になってもこれからは収入が目減りしていない分大丈夫です。
また、貯金中も何かあった場合は一旦貯金を休むことも可能です。
ところが、ローンをしてしまうと、その後何か入用になると、さらに収入が目減りすることになります。
毎月1万円のローンの返済は待ってくれませんので。
場合によっては足りなくなります。
多重債務者はここで暴挙に出ます。
キャッシングするのです。
ローンの支払をキャッシングして支払うのです。
あほか、と思うかもしれませんが、本当に多重債務者の脳みそとはこうなのです。
- 「お金がなかったんだからしょうがない(●`ε´●)」
- 「足りないんだからしょうがない (●`ε´●)」
- 「返せばいいんでしょ(●`ε´●)」
とのたまいますよ。
当然キャッシングの返済も滞ります。
そうすると別のカードでキャッシングするのです。キャッシングしてキャッシングを返すのです。
こんなんで、「やりくりできてる」と誤解し、恍惚感を得るのです。
正確に金利を計算してみる
ちなみに多重債務者がスルーする利息計算をしてみましょう。
オリコカードで10回払いすると金利は年利14.6%です。
毎月返済するのですから、まずはこれを月利に変えます。
14.6 ÷ 12 = 1.22%
というわけで1ヶ月目の金利は
100,000 X 1.22% = 1,220円
となります。
これを繰り返すとこのようになります。
月数 | 元金 | 金利 | 元金+金利 | 返済 |
---|---|---|---|---|
1 | 100,000 | 1,220 | 101,220 | 10,000 |
2 | 91,220 | 1,113 | 92,333 | 10,000 |
3 | 82,333 | 1,004 | 83,337 | 10,000 |
4 | 73,337 | 895 | 74,232 | 10,000 |
5 | 64,232 | 784 | 65,016 | 10,000 |
6 | 55,016 | 671 | 55,687 | 10,000 |
7 | 45,687 | 557 | 46,244 | 10,000 |
8 | 36,244 | 442 | 36,686 | 10,000 |
9 | 26,686 | 326 | 27,012 | 10,000 |
10 | 17,012 | 208 | 17,220 | 10,000 |
11 | 7,220 | 88 | 7,308 | 70,308 |
金利合計→ | 7,308 | – | – |
実際にはこの金利は1回目の支払いに加算されることが多いので、正確にはちょっと違うと思います。
1年も経っていないのにに7,308円です。
金利の高さがわかりますか?
試しに10万円銀行に貯金してみてください。
10ヶ月では、この100分の1の70円も利息は付きません。
数学がある程度分かる人はキャッシングをしない、ということです。
逆に言えば数字に弱い人はやります。
多重債務者は数学が不得意、だと思いますよ。
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